おねむな日記

【ステップ-重松清‐】を読んで思ったこと

どうも間嶋コタローです!

3月末から本を読み出して、8冊目を読み終わりました(^◇^)
(読了とは言わない)

 

それも、今回は初めての小説。

 

重松清さんの

『ステップ』

 

小説ってすごく苦手意識があったんですよね。
イメージとしては、エッセイは、著者の考え方、答えを教えてくれる感じ。
小説は、少し考えさせられるイメージ。答えは自分で出さなきゃいけないイメージ。

思考停止野郎の僕には、自然とエッセイ本に流され(選んだというより)、十分に高揚感を得て楽しんでいました。

今回、なぜ急に小説に振り切ったかというと、流れはこうです。

最近、伊藤沙莉さんが好きになり、youtubeを漁り倒していたら、おすすめのとこで「ステップ」の映画の予告動画が出てきたんですよ。この1分20秒の動画で泣きそうになったということなのです。

最初の洗濯機終わりましたの音切な過ぎる…

特に伊藤沙莉さんが涙ぐみながら「お母さんもきっと抱っこしたかったんだろうなぁって…」という場面にやられたと言いますか。

映画見たいー!と思って確認したら、4/3公開予定でしたが、コロナで延期になってるみたいです(T_T)

映画『ステップ』公式サイト

今の今までよう知らんかったな自分(怒)と思いますよまじで。

主演は山田孝之さん。伊藤さんはケロ先生という保育士さん役。

公開がいつになるかわからないということで、「なら先に小説を読んでおこう」という流れになりました。

あらすじ

あらすじはこうです。

山田孝之さん演じる武田健一。
娘・美紀が一歳半の時に、妻の朋子が髄膜炎で亡くなり、シングルファーザーとなる。

周りの人に支えてもらいながら、育児や仕事など様々な悲しみや葛藤、予定外の日々と向き合い、成長していく。

美紀が2歳から小学校を卒業するまでの10年間のお話。

この本を読み終わったら、まず子どもをギューっとしたくなった。

僕には2人の娘がいます。

「本を読んで、自分に酔って、一週間だけ」ということにならないように自分で自分に願いを込めています。自戒です。

そして、健一を支える周囲の人にも、それぞれ、大切な人を失った悲しみ、様々な葛藤があります。

命の大切さを説くというよりは、悲しみや葛藤との付き合い方、向き合い方が書かれてあるなぁと思いました。

永遠の悲しみは、決して消すことはできない。
それを、ポジティブな言葉で、無理やり上書きしようとしたり、忘れようとしたりするのではなく、付き合っていく。

「答えの無い問いに、落としどころを見つけて前に進む」と言った感じです。

諦めると言った表現もちょっと違う気がします。

 

キャスト

小説の第一章でいきなり登場する保育士のケロ先生は、伊藤沙莉さんしかいない!というキャラクター。

健一役の山田孝之さんも本当に素敵。

広末さんも、川栄さんも、東京03の角田さんも好きだ。

登場人物、全員好き。

詳しくはサイトを見てね(^^)/
映画『ステップ』公式サイト

今回、
映画の予告を見る → 小説を読む → 映画公開を待つ

という初めての流れであるが、この流れはなかなか良いなと思いました。

今までは、実写化って何となく、小説の期待を上回れないイメージがあったんですけど、予告や公式サイトを見て、演者を見てから小説を読むというのは、小説慣れしていない僕にとってはすごく読みやすかったです。

映画を見てから、小説を読むのとは、また違う気がしますね。

 

感想と妻を誘ってみた

この小説は終始胸が痛いんです。

ここぞとばかりに泣きそうになります。

でも不思議なのが、最後には前向きになってる。
それでいて切ない気持ちを忘れるわけじゃなく、ちゃんと残っている。

でも章ごとに、落としどころを見つけて、前に進んでくれるから、胸が破壊されずに読み切れました。

仕事の合間に読んだので、目頭から目尻まできれいに充血しながら利用者さん宅に訪問し、コロナの疑いをかけられたことは言うまでもない。

すっきりするというよりは、諦めるというよりは、みんながそれぞれ少しずつ歩み寄る温かさを感じます。

 

雑誌中央公論で連載していた時のタイトルが「恋まで、あと3歩。」だったみたいです。

人間的な成長だけでなく、ちょこちょこ、健一が女性をそういう目(再婚を考えて)で見ていると思っていたら、そういうことだったみたいですね。

新しい妻の候補になる女性が現れると、亡き妻に相談するわけです。
娘の為というよりも、自分が淋しかっただけかもしれないと、本音が出てくるところも良かった。

あとは、妻との思い出、回想シーンがほとんどなかった気がする。亡くなる時の様子も。

前を向きたいのか、振り返りたくないのか。

そこまできれいにはっきりと思い出せないリアリティーなのか。

それだけに、「妻・朋子が、美紀と同じ年ぐらいの歳のビデオ」をみんなで見るシーンは泣きました。

小説の始まりが30歳、終わりが40歳という何とも僕にドストライクの年齢。

来年に3人目が産まれる予定の僕にとっては、引き込まれずにはいられなかった。

何度予告を見たことか。
エンドレスリピート。
通勤中のBGMとなっている。

そして、ケロ先生登場シーンも何度見たことか。
いきなり引き込まれるよ!

 

そして、これ程までに「早く映画が見たい!」と思うことが今までになかったです。

早く拝みたいぜ。

僕の妻にも時間があったら読んでみて☆と勧めたがまぁ読まないと思います(^q^)
(僕プレゼン下手なので…)

でも映画は是非2人でいこうと誘いました。
妻からは「珍しく盛り上がってるな」と冷ややかな感じ言われて、少し「何やねん…」と思いましたが、それぐらいグッと来るお話だったのです。

 

みんなそれぞれ、どうしようもない悩みや葛藤はあると思います。

それを誤魔化さず、でも自分が潰れてしまわないように、周囲の人に支えてもらいながら付き合い、落としどころを見つける。

決して消えるわけじゃないけど、前に進むためにはそうするしかない。

それができれば、優しくなれるし、器量も大きくなるんじゃないかと思います。

そんなことをしっとりと教えてくれる物語でした。

 

切ないポイント

誰も興味がないと思いますが、僕の「ギュン!!」と来た、切ないポイントでもお披露目して終わりたいと思います。

●ケロ先生の忙しい抱っこの話

●思い出は増えない話

●美紀が同窓会の真ん中に座り、朋子の話をノートを持って聞いている時

●奈々恵といる時は明るくて、帰りに吐いてしまう美紀

●義父が健一に「他人事みたいに言うなよ」と怒った時

●奈々恵が卒業式の朝ごはんを遠慮した優しさ

特に読み返さずに覚えていた場面を挙げてみました。

とにかく全部優しいんです。温かいんですよ。
もっともっと素敵な場面がありますので是非読んで見てね。

特にパパには読んで欲しいな。

あと、僕は初めて上手く現実逃避できたんじゃないかと思います。

仕事のイライラを、仕事じゃない誰かに当たるより、優しく切ない本を読むことで、忘れることができました。

仕事のイライラで眠れない人にも良いんじゃないかと。

ではこの辺で、、、

おわり


ABOUT ME
間嶋コタロー
人見知り×ガリガリ×努力できない×部屋汚い×勉強不足 全てが凡人以下の30代男がブログを通じて10%の底上げを企む。 2020年東京オリンピックが終わるころには結果がでていることだろう。